2021年10月の健康便り —健康—
大学3年生の小林理沙さんは、外出自粛生活が長びくにつれ、体重の増加が気になっていました。ダンス動画を見ながら体を動かしていたら痩せたよ、という友人の話を聞き、早速ダンス動画を見てダンスを始めてみた小林さん。でも慣れないダンスに挑戦し、うっかり転倒。足首をひねってしまいました。とりあえず冷やしてみたものの、全く痛みが引きません。病院に行こうと思って調べてみると、最寄りには整形外科と整骨院がありました。さて、こんなときどちらへ行ったらよいのでしょう。小林さんは健康管理センターの看護師モモセさんに電話をしてみました。
整形外科と整骨院はどう違うのでしょうか。
整形外科は医師が医療行為を行います。MRI、CT、レントゲンなどの画像をもとに状態を判断し、投薬や手術、リハビリテーション等を行います。
整骨院では柔道整復師が施術を行います。柔道整復師は医業類似行為の資格で、診断を含む医療行為はできません。業務内容はねんざや打撲を冷やす、温める、マッサージする、手術以外の出血を伴わない方法で骨折や脱臼でずれてしまった骨を正常な位置に戻す、固定するなどの応急処置です。
レントゲンやMRIでは筋肉や靭帯の損傷が映らない場合があるため、整形外科で異常なしと診断された場合でも痛みなどが続くことがあります。整骨院では柔道整復師が体に直接触れるため、レントゲンやMRIで見つけられなかった痛みの原因を発見できることがあります。整形外科等の医療機関を受診しても痛みが引かない、よくならないという場合、整骨院に相談してみるのも良いでしょう。
整骨院で受ける施術のうち健康保険が使えるのは、ねんざや打撲、肉離れ、応急処置以外の医師が同意した骨折、脱臼に対する施術です。単なる肩こりや筋肉疲労、ヘルニアや神経痛などからくる痛みやこりへの施術は健康保険の対象外です。整骨院で健康保険が使えると言われても、健康保険組合から対象外であると判断された場合は後日自費診療分が請求されることもあるので注意してください。交通事故などによるケガなどでも健康保険が使えないことがあります。詳しくは健康保険組合に確認しましょう。
モモセさんに相談してまずは整形外科を受診した小林さん。医師にねんざと診断され、湿布と痛み止めの内服薬を出されました。数日後、痛みの引いてきた小林さんはモモセさんに電話で報告しました。「痛みが軽くなってよかったわ。整形外科と整骨院、それぞれの特徴があるの。理解しておけば今後は迷わないわね」とモモセさん。「そうですね。周りでも困っている友達がいたら教えますね。これからはケガしないように気を付けて運動しないと。しばらくはお散歩がいいかな~」と小林さんは笑いました。