2021年11月の健康便り —健康—
大学2年生の大森雅樹さんは、リモート授業を受けるようになってから目の疲れを感じていました。友人の小川涼さんも目の疲れや渇きに悩んでいるようです。「俺も家にいるときはずっとスマホを見ているし、授業や提出物もほとんどがパソコン。目に良くないよね。ネットで若い人もスマホ老眼になるという記事を見たよ」「スマホ老眼って、スマホを沢山見るとなるのかなあ。健康管理センターに聞いてみよう」と、電話してみることにしました。
加齢に伴い40歳代から徐々に起こる老眼は、近くを見る際にピントを合わせる目の力が衰えて起こります。手元が見えにくい、ぼやけるなどの症状が一般的です。最近、若者にも老眼のような症状が増えています。スマホ老眼と呼ばれており、スマートフォンやタブレットなどの長時間視聴で目が疲れ、目の調整力が衰えて起こります。スマホ老眼は一時的な症状のことが多く、本格的な老眼につながるかどうかはまだ分かっていません。しかし、目の疲れや見えづらさは確実に生じています。そのせいで肩こりや頭痛など、他の症状も出てしまうと生活に支障をきたすこともあります。
目の疲労を防ぐためには、スマートフォンやタブレットを使用する際は15分見たら目を休める、遠くを見る、画面との距離を30~40cm程度離す、画面を明るすぎないようにする、夜は暗闇で見ない、などに注意しましょう。
短時間でできる「目の体操」も効果的です。すきま時間にやってみてください。
なお、見えづらさを感じた時、一時的な症状だと思って放置したり、自己判断で目に合わない眼鏡を使用したりしていると、ほかの病気を見逃す場合があります。見え方に異常を感じたり、目を休めたりしても改善がない場合は早めに受診しましょう。眼科では視力検査以外の検査も行い、他に病気がないか調べます。
モモセさんにいろいろと教えてもらった大森さんと小川さん。「見えることが当たり前だと思っているけど、もっと目を労わらないと」と言う大森さんに、小川さんは「夜中にダラダラと見がちなスマホは、時間を決めて使わないといけないね。目をホットタオルで温めるのも良いみたい。目をケアするグッズも沢山売っているから見に行ってみようか」と提案しました。オンライン授業だけでなく、イベントや友達との集まりでも端末画面を見る機会が増えています。心身に負担をかけないよう、上手に情報機器を利用していきましょう。