2022年1月の健康便り —健康—

乾燥から体を守ろう

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 久保田佳奈さんは大学4年生。就職が決まり、友人の土井健一さんとスノーボードに行く約束をしました。ところが出かける1週間前、久保田さんののどに痛みが…。
 「昨日リビングでうたた寝したせいかな。のどがイガイガする。病院へ行くほどではないけど。どうしよう」と心配する久保田さんに、「最近、空気が乾燥しているからね。健康管理センターに相談してみなよ」と土井さんのアドバイス。さっそく看護師モモセさんのいる健康管理センターに行ってみました。

 冬季は気温と湿度が下がります。エアコンなどをつけると、室内はより乾燥することに。乾燥は体にどのような影響を与えるのでしょうか。
 鼻やのどの粘膜は、呼吸で体内に入った細菌やウイルス、ほこりなどの異物を捉え、粘液ごと異物を体外に出そうとします。しかし、乾燥すると粘液が少なくなり、異物を出す力が低下してしまいます。また、湿度が下がるとウイルス等を含んだ飛沫の水分が蒸発して軽くなり、長く浮遊しやすいために風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。 肌荒れやかゆみ、髪の毛のパサつきも起こります。寒い冬に健康な体を維持するために、乾燥から身を守ることはとても大切です。

 まずは室内の湿度を保ちましょう。一般的に室内の適度な湿度は40%~60%と言われています。加湿器の使用、洗濯物を室内に干す、湯を沸かす、洗面器や器に湯を張って置くなどの方法があります。湿度60%以上だとカビが発生しやすくなるので、湿度計を置いて適度な加湿を意識しましょう。肌の乾燥予防にはこまめに保湿クリームやオイルを塗る、肌の油分を取りすぎないよう石けんなどで洗いすぎない、お風呂の湯船はぬるめにする、マスクをする、などがあります。取り入れられそうなことからやってみてください。

 「お風呂場とリビングが近いなら、湯船に湯を張った風呂場のドアを開けておくと、湯気で部屋の湿度が上がりやすいわよ。喉のイガイガが気になるなら、マスクをして寝る、水分補給をするのも効果的。試してみて」とモモセさん。久保田さんは「実はさっき、薬局で加湿マスクを買ってみました。スノーボード行くまでに治るといいな」と元気に授業に戻っていきました。