2022年2月の健康便り —メンタル—

SNSで嫌な気持ちになったときの対処法

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 1年生の鈴木由衣さんは、時々健康管理センターを利用している学生です。今日はいつもより曇った表情で入室してきました。相談室のキムラさんが理由を尋ねると、「実はSNSで困っていることがあって…」と言います。

 名前を伏せて使っているインスタグラムのアカウントを同じ学年の友達に知られてしまったとのこと。それ以来、鈴木さんの投稿内容に対して逐一コメントをしてくるらしく、SNS上で付きまとわれているように感じていると話します。 相手とは以前は交流があったようですが、今は疎遠になっているということです。
 「大学ではほとんど話したりしません。だから余計に不気味で…。返事はしていないんですけど、それでも困るコメントが来てしまって」実際にどんなやり取りなのかを見させてもらうと、新しい洋服を買ったという報告に対して、『今どき、そんなの買う?』『それ、大学に着てくるの?』など、確かに返事に困りそうなコメントでした。

 SNSは鈴木さんにとって心の拠り所であり、こんなことでやめてしまいたくはないとのこと。ただ、相手は学校でも友人が多く、気分を害して仲間外れにならないかとも心配しているということでした。

 「きっと相手は鈴木さんがやめてほしいと思っていることを知らないのだと思うけれど、それを伝えてみるのはどうかしら」とキムラさんが言うと、「え? でも、そんなこと言ったら相手が怒ったりしませんか」と驚く鈴木さん。キムラさんは静かに「今、鈴木さんは我慢している状態だと思うけれど、相手のことも傷つけたくないとも思っていますよね。傷つけたくないから自分が我慢すればいいというのはお互いにとっていい形ではないように思うんです。相手のことを思えばこそ、自分の意見や考えをちゃんと伝えることはとても大事なことなんですよ」と続けました。
 「でも、どう伝えればいいか…」鈴木さんは途方に暮れた様子です。大切なことは、相手の意見や気持ちを聞くこと、そのうえで自分の意見を伝えることです。

 「まずは『いつもコメントありがとう』から声をかけてみるのはどう? そして、どうしてコメントをくれるのか、聞いてみてはどうでしょうか。その上で、SNSでは学校の人とのやり取り控えていることをそれとなく伝えてみるのはできそうですか?」
 「それならなんとなくできそうです。相手の話をまずは聞くことが大事なんですね」と鈴木さんは納得したようです。「もしかしたら相手も前みたいに仲良くしたいと思っているだけなのかもしれませんよね。大学で話したいな、と伝えたら、分かってくれるかもしれないと思いますよ」「たしかにそうですね!」キムラさんの話を聞いて、表情が明るくなった鈴木さんでした。

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