2022年2月の健康便り —健康—

望まぬ妊娠をしないために

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 大学2年生の坂本明子さんに初めて彼氏ができました。バレンタインの日には彼の家に遊びに行くことになっています。友人の佐藤愛さんにそのことを報告すると、避妊具を持っていくように言われ、驚いた坂本さん。「今まで避妊についてきちんと知ることがなかったからよくわからないの。健康管理センターに聞きに行ったらヘンかなぁ」坂本さんが言うと、佐藤さんは「一緒に行ってあげるよ」と言い、二人で相談に行きました。

 皆さんは避妊法と聞いて何を思い浮かべますか。日本で認知度が高い避妊法はコンドームです。しかし、正しく使用できていないと7回に1回くらいは妊娠してしまいます。一方、経口避妊薬である低用量ピルは、定期的な婦人科受診が必要で費用もかかりますが、確実に避妊ができ、女性が主体的に行うことができるのでお勧めです。一時的な吐き気などの副反応が出ることもありますが、飲み続けるうちに治まることがほとんどです。体質などによっては使えないこともあるので婦人科で相談しましょう。コンドームの避妊率はそれほど高くありませんが、性感染症の予防にも効果があります。ピルを飲んでいてもコンドームは併用してください。
 その他の避妊法として、生理周期から排卵日を見つけるオギノ式や膣外射精、性交渉後の膣洗浄を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、いずれも避妊目的には適せず、失敗する確率も高いです。
 コンドームが外れた、ピルを飲み忘れた、避妊なしで性行為があったなど、妊娠の恐れがある場合は緊急避妊薬(モーニングアフターピル)という方法があります。性交渉から72時間以内に1回内服することで望まぬ妊娠を避けることができます。副作用は少ないですが、費用は2万円前後かかります。100%避妊できるわけではないため、必ず後から妊娠検査薬で妊娠していないかどうかを確認しましょう。

 看護師のモモセさんは「望まぬ妊娠をしないように避妊を考えておくのは、女性自身とパートナーの両方を守るために大切なことなのよ」と、優しく伝えました。坂本さんは「男性任せにすることなく、自分でしっかり避妊をするべきですね。機会を見て彼とも話してみようと思います」とホッとした笑顔。その後、今年のバレンタインデーはそれぞれどんな過ごし方をするのか3人で楽しく話しました。

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