2022年7月の健康便り —健康—

屋外での熱中症リスク

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 大学2年生の本田優介さんは、フットサルサークルに所属しています。前期の試験勉強で連日寝不足でしたが、すべての試験が終了したので久しぶりにサークルに顔を出しました。強い日差しの中、水分補給をしながらプレーを楽しんでいましたが、急に立ちくらみがして、吐き気と頭痛もし始めました。熱中症だと思い、フラフラしながら、健康管理センターに駆け込みました。

 熱中症とは高温多湿な環境に長時間いることで、体温の調節機能が働かなくなり、体内の水分や塩分のバランスが崩れる状態を指します。体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛など、さまざまな症状が起こります。熱中症の発症時期は梅雨明け後7月中旬から8月上旬にかけてピークを迎え、発症時刻は12時および15時前後の日中が最も多いです。
 私たちの身体は暑さで体温が上昇すると汗をかき、汗が蒸発するときに熱が逃げることで体温を調整しています。熱中症を引き起こす3つの要因として、

などがあります。
 熱中症を予防するには、暑さを避ける、涼しい服装を工夫する。こまめな水分と塩分補給、暑さに備えた身体づくりが効果的です。
 一般的に立ちくらみ、けいれん、呼びかけへの反応がおかしい、ぐったりする、歩けない、筋肉痛、吐き気や嘔吐、めまい、頭痛、発熱などの症状がみられたときは熱中症が疑われます。
 けいれんを起こした、意識がない、呼びかけへの反応がおかしい場合はすぐに救急車を呼びましょう。意識がある場合は応急処置を行います。まずは風通しのよい日陰かクーラーの効いた室内など涼しい場所に移動させます。次に服をゆるめて、氷のうや保冷剤などを、首、脇の下、太もものつけ根に当てて体を冷やします。自分で水分摂取ができない、もしくは水分と塩分を補給しても症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。

 モモセさんは「真夏のスポーツは体調のよい時に、朝晩など涼しい時間にするとよいわね。水分と塩分が補給できるスポーツドリンクなどを飲みながら楽しみましょうね」と言いながら、経口補水液を差し出し、本田さんの脇の下を保冷材で冷やしました。「休んだら楽になってきました。今日は無理せず家に帰って、冷房をつけて寝ます」と、夕方の涼しくなった時間に帰っていきました。