2023年1月の健康便り —健康—

発熱したらどうしたらいいの?

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 大学1年生の加藤美咲さん、朝起きるとのどの痛みと37.8℃の発熱があります。大学を休んで受診しようか迷いながら「この熱は、もしかしたら新型コロナかも」と一気に不安になりました。家を出ないほうが良いと思い、健康管理センター看護師のモモセさんへ電話をかけました。

 冬になるとインフルエンザや、発熱・風邪症状などを引き起こす感染症が流行しやすくなります。なぜ感染症にかかると体温が上がるのでしょうか。感染症の原因となる細菌やウイルスが体内に侵入すると、脳から体温を上昇させる命令が出ます。体温が上昇すると免疫系の働きが活発になり、細菌やウイルスの活動が抑制されるからです。身体の防衛反応として発熱しているのです。
 発熱したらエネルギーの消耗を防ぐことが第一です。寒気や震えがある時は暖かくして、体温の上昇を助けるとよいでしょう。一方、高熱で身体が熱い時には首筋や脇の下、足の付け根など太い血管が通っている部分を冷やします。解熱鎮痛剤は感染症を治す薬ではなく、一時的に熱や身体の痛みを和らげてくれるものです。解熱鎮痛剤を使用するのは、喉が痛くて水分も十分にとれない、熱にうなされて眠れないような時にするとよいでしょう。熱を上げる必要がなくなれば、身体は汗をかいて体温を下げるように働きます。汗をかくと早く治るように感じるのはこのためです。厚着をして汗をかいても感染症が治るわけでなく、脱水症状を起こす恐れがあります。熱がこもらないよう風通しのよい服装と、掛物は薄いものにして休むとよいでしょう。
 発熱時の飲食や入浴はどうしたらよいのでしょうか。普段よりも水分が失われやすいため、こまめに水分補給をしましょう。食事は消化のよいものを無理せずとってください。汗をかいたときは着替えをしたり身体を拭いたりして清潔を保ちましょう。入浴は発熱が少し落ち着き身体が楽だと感じているタイミングで短時間のシャワー浴がよいでしょう。
 風邪などの感染症と新型コロナウイルス感染症の症状はよく似ており、症状だけの判断は難しいと言われています。まずはかかりつけ医や近くの発熱患者が診療検査を受けられる医療機関に、事前に連絡してから受診しましょう。新型コロナウイルス感染症の検査をするのか、それとも他の病気を疑って別の検査をするのかどうかは診察した医師の判断で行われます。検査については医師に相談をしましょう。

 「新型コロナ受診相談センターなど、発熱した時に相談できる窓口もあるから、住んでいる自治体のホームページで確認するのも一つの手よ」とモモセさんは言いました。「まずはホームページで受診先を探してみます。この先の対処法が分かって安心しました」と加藤さんはホッと胸を撫で下ろしました。