2023年11月の健康便り —健康—
大学4年生の吉田勇樹さんは、健康管理センターで受け取った健康診断の結果に肩を落としました。去年と比べて体重が増え、血液検査の結果もよくありません。「生活習慣病予備軍なので、生活習慣の改善をしましょう」と書いてあります。健康管理センター看護師のモモセさんは、ガックリした様子の吉田さんに、「スポーツの秋だし、手始めにウォーキングに挑戦してみるのはどうかしら」と提案しました。
読書の秋で運動不足、食欲の秋で太り気味、そんな悩みを抱える人も多いのではないでしょうか。スポーツの秋になにか運動でも、と思っても、運動習慣のない人がいざ始めるとなるとハードルが高いものです。そこで、誰でも手軽に始められる運動としてウォーキングがあります。
運動をよく行っている人は、虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、大腸がんなどになりにくいということが分かっています。また、ウォーキングはストレス発散にも効果があります。
歩数が多ければ多いほど健康によいというわけではなく、「1日8,000歩(そのうち20分の速歩き)」が健康によいと言われています。自転車をやめて歩く、バス移動をやめて歩く、エレベーターやエスカレーターをやめて階段を使うなど、日常生活の中で歩く機会を増やすとよいでしょう。週に数回まとめて運動するより、毎日体を動かすほうが効率的です。スマートフォンを持ち歩くだけの万歩計アプリケーションは、毎日の歩数を確認するのにお勧めです。
「全国大学生協連では、11月にウォーキングチャレンジという企画を開催しているわ。1人では続けるのが難しくても、仲間と一緒なら頑張れることもあるし、参加してみたらどうかしら」とモモセさん。吉田さんは、「運動って難しく考えていたけど、日常生活の中でのウォーキングなら自分にもできそうです」と、明るい表情で帰っていきました。
これからの季節、気温や湿度がぐっと下がると感染症も多くなりますが、運動により体温が上がると免疫細胞も活性化します。本格的に寒くなる前からウォーキングを始めて、毎日の習慣として無理なく続けることを目指してみましょう。