2023年12月の健康便り —健康—

感染症を予防しよう

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 大学1年生の山田凛さんは大学での講義中、体がだるく熱っぽいことに気が付きました。まわりでもインフルエンザや新型コロナに感染したという話を聞くので、もしかしたら、と不安になりました。一番心配なのは、同居している祖母にうつしてしまうことです。山田さんの祖母は糖尿病の持病があるので、ここ数年は新型コロナに感染しないようにと家族みんなで気を付けて過ごしてきました。どうしたらよいかわからず、帰宅する前に健康管理センターの看護師モモセさんに、電話で相談することにしました。

 インフルエンザ、新型コロナの季節に関係ない流行が見られますが、本来、ウイルスによる感染症は冬に流行る病気です。湿度が低くなるとウイルスが空気中に漂いやすくなります。乾燥で粘膜の防御機能の働きが悪くなり、ウイルスが体内に侵入しやすいのも流行の原因の一つです。
 予防の方法は、コロナ禍の間、何度も言われてきたことですが、基本は変わりません。手洗い、うがい、換気です。室温は18度以上、湿度は40%以上を目安にしましょう。マスクが効果を発揮するのは飛沫を飛ばすのを防ぐ場合ですが、飛沫を吸い込む可能性がある時にも使用します。喉を乾燥から守る効果もあります。体の免疫力を上げるため、栄養バランスの良い食事と十分な睡眠をとることも大切です。こまめな水分摂取も心がけましょう。インフルエンザ予防接種は年内に済ませておきましょう。 
 家庭内感染を防ぐ方法として、感染者と同居者の部屋を分ける、マスクをつける、ドアノブなど家族が触る場所を消毒する、感染者が出したティッシュなどのゴミは密閉して捨てる、などがあります。
 なお、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスはアルコール消毒が効きますが、感染性胃腸炎を引き起こすノロウイルスやロタウイルスには効かないため、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が必要です。