2024年3月の健康便り —メンタル—

新生活への不安でモヤモヤしたら

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 新生活に向けて不安と期待がまざる、なんだか落ち着かない空気が流れるキャンパスの学食で、大学院修士2年生の佐々木春樹さんは、友人との会話を思い出していました。佐々木さんは、これまで研究していた専門分野の会社に、専門職として4月から就職が決まっています。先日、就職祝いをかねて友人が食事に誘ってくれました。その友人は佐々木さんと同じ研究室でしたが、大学院には進まずに就職したため、現在社会人2年目。同じ分野の会社で働く友人から日々の仕事の話を聞いていく中で、「大学院卒だと期待されそうだよね!」「いろいろと仕事も任されそう。」と言われたことが佐々木さんの中で印象強く残っていました。

 友人が悪気なく言った一言だということはわかりつつも、佐々木さんの心にはこの言葉が重くのしかかりました。日に日に「4月に向けて何かしたほうがいいのだろうか」「でも何をしたらいいんだろう…」と就職への不安が強くなっていきます。このモヤモヤとした不安を何とかしたいという思いから、健康管理センターの相談室を訪れました。
 佐々木さんから、ここ最近抱えていた気持ちを聴いた相談室のキムラさんは、次のように提案しました。「就職した後どうなっていくか、未知だからこそ不安になりますよね。今、お話ししてくださった内容を、一度箇条書きで紙に書きだして、見える状態にしてみましょうか」佐々木さんはすぐに書き出していきました。

 書き終わったのを見て、キムラさんは次のように提案をしました。「その中で、そのときになってみないとわからないことや、自分でコントロールできないことがあれば、チェックしてみてください」
 キムラさんの言う通りにチェックしていくと、ほとんどがそれに当てはまることに気が付きました。「今チェックした項目は、そのときにならないと誰にもわからないことです。人は、わからないことに対して不安が強くなりますし、ネガティブな想像を広げがちです」キムラさんは続けます。「チェックした項目は、箱の中に入れておくイメージで、しまってしまいましょう。箱はそのときまで開けなくて大丈夫です」「もし、箇条書きをした中で、自分で対策ができそうなこと(例えば『これまで勉強してきたことをふまえて、就職後も使う知識の整理をする』等)があれば、ぜひそこに取り組んでみてください。」
 キムラさんと話をする中で、モヤモヤが整理され、今やるべきことが何かが見えてきた佐々木さん。「なんだか頭の中がクリアになった感覚です!」とすっきりした表情でキムラさんにお礼を伝え、軽い足取りで相談室を後にしました。