2024年4月の健康便り —健康—

初めての一人暮らし~野菜不足に気をつけて~

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 新学期がスタートし、学食の様子を眺めていた健康管理センターの看護師モモセさん。今日は管理栄養士のチバさんも一緒です。早速、新入生の会話が耳に入ってきました。「バイトで時間がないから料理はしない」「野菜は高いから買わない」「野菜ジュース飲んでいれば大丈夫じゃないの」など、新しい環境の中での食事の変化、とりわけ野菜不足の様子が伝わってきます。
 親元を離れて一人暮らしになり、食生活がガラリと変わってしまった学生が、体調を崩すのは珍しいことではありません。野菜には体に必要なビタミン、ミネラル、食物繊維が含まれています。不足すると、貧血や肌荒れ、便秘、疲れが取れないなどの不調を招いてしまいます。丼ものや麺類中心の食事を続けたり、パンやお菓子が多くなったりと、食事が偏って太りやすくなる場合もあります。モモセさんとチバさんは、野菜を食べてほしいな、摂り方のコツを伝えたいと、定食を手にしながら新入生に声をかけることにしました。

 厚生労働省の調査(令和元年国民健康・栄養調査)では、野菜摂取量の平均値は国の目標値には届かず、年代別でも20歳代は特に少ないとの結果が出ています。野菜を摂るために何が問題になっているのでしょうか。

<料理は苦手だし、面倒だな>
 スーパーやコンビニのカット野菜、冷凍野菜は料理初心者の強い味方です。少量で手間いらず、種類も豊富になってきました。まずは手に取ってみて使いやすそうなものからチャレンジしてみましょう。レシピサイトなどで簡単レシピや面白アレンジを見つけてみるのも楽しいですね。
<一人暮らしでどんな野菜を買ったらよいかわからない>
 ブロッコリー、にんじん、キャベツ、もやし、玉ねぎ、ほうれん草、パプリカなどがお勧め。なかでもブロッコリーやにんじん、ほうれん草は、栄養価が高く積極的に食べてほしい野菜です。野菜が余ったら、具沢山のコンソメスープを作っておくと忙しい朝の1杯に重宝しますよ。
<野菜ジュースを飲んでいればいいかな>
 野菜ジュースは手軽で利用しやすいメリットはありますが、ビタミンCや不溶性食物繊維はほとんど含まれず野菜の代替品にはなりません。野菜はしっかりかんで食べることで満腹感を得られ、肥満を防ぐ効果もあります。残念ながらジュースには野菜と同じような栄養や効果は期待できません。あくまで補助と考えましょう。

 チバさんは定食の付け合わせ野菜を指して「この量が大体70g。これを1皿分と考えて、1日に4~5皿を目指してね」と説明し、「まずはミニトマト2、3個とか、ちょい足しから始めてみて」とアドバイス。モモセさんも「おいしく食べて、健康になれるといいわね」と、定食を残さずきれいに食べていました。