2024年6月の健康便り —健康—

熱中症に気を付ける~正しい予防法について~

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 大学1年生の清水陽一郎さんは、慣れない自転車通学と朝早くからの授業、最近始めたアルバイトで大忙しです。今朝も強い日差しの中、必死に自転車をこぎ、1限の授業に間に合いました。ところがだんだんと頭痛と吐き気がしてきました。健康管理センターへ行くと、看護師のモモセさんは「熱中症かもしれないですね」言い、すぐに涼しい部屋で水分を摂らせ、脇の下を冷やしました。そして、少し休んでから近くの内科に行くことになりました。

<夏になる前から要注意>
 人間の体は、体温が上がると汗や皮膚からの放熱により体温調整がされます。気温や湿度が高い、風が弱いときなどは汗が蒸発しにくく、放熱が十分にできません。そのため体温が上昇し、熱中症になりやすくなります。春から梅雨時期にかけても、急に気温が上昇したときなどには、体が暑さに慣れておらず、真夏ほど暑くなくても発症します。二日酔いや寝不足といった体調不良、激しい運動、水分摂取不足、暑い場所での長時間の作業なども熱中症の要因となります。エアコンがついていない屋内でも起こります。
<症状と診断方法>

★環境を整える

  • 室内:冷房や除湿機、扇風機などで、室温と湿度を調整する
    ブラインドやすだれなどで遮光する
    無理な節電をしない
  • 屋外:日傘や帽子を使う。日陰を歩く。小まめに休憩をとる
    熱中症警戒アラート発表時は不要不急の外出を控える

★体を整える

  • しっかり寝る。3食きちんと食べる。規則正しい生活をして体調を整える
  • 暑くなりはじめた時期から適度に運動し、体を暑さに慣らす
  • のどの渇きを感じなくても小まめに水分補給
  • 汗をたくさんかいた後は、水分だけでなく塩分も補給
  • 吸汗・速乾素材やゆったりとした風通しのよい衣服を着用する
  • 保冷剤、氷、冷たいタオルなどで体を冷やす

 内科から戻った清水さんは、「新生活の疲れと急な暑さに体が慣れずに熱中症になったんだね、と言われました。熱中症って真夏になるものだと思っていたのでビックリです」とモモセさんに報告しました。清水さんの様子にほっとしたモモセさんは、「今の時期から熱中症になる人は結構いますよ。今回は自分で病院に行けたけど、水分が摂れない、ぐったりしている、意識がないような場合は救急車を呼ぶことになるから気をつけてね」と声をかけました。