2024年7月の健康便り —健康—

浮かない顔で健康管理センターをのぞいているのは大学4年生の古田航希さんです。「彼女が妊娠したかもって言うから、俺、焦って、別れようって言っちゃったんです。でも友達から無責任だって言われて。俺どうしたらよかったんでしょうか」と、一気にまくし立てる古田さん。「一緒に考えましょうね。避妊はしたのかな」と看護師のモモセさんは優しく声をかけます。「外で出したし、大丈夫だと思っていたのに…」と古田さんはうつむきました。
気をつけていても避妊に失敗することはあります。避妊の失敗や妊娠する可能性のある性交の後に妊娠を阻止するのが緊急避妊です。緊急避妊薬は性交後72時間以内にできるだけ早く服用します。処方には産婦人科の受診が必要です。100%妊娠を防ぐものではないため、緊急避妊を行った場合も、2~3週間後に妊娠検査を実施し、妊娠していないかどうかを確認します。
厚生労働省が紹介する「緊急避妊に係る対面診療が可能な産婦人科医療機関等の一覧」を参考にしてください。
「こんなに簡単に妊娠するなんて。俺は大学院もあるし親にも言えない。でも妊娠した彼女はもっと不安だろうな」と彼女の気持ちを思い、別れを後悔する古田さん。モモセさんは「まずは彼女がどうしたいかを聞いてみたら。あなたにも責任があるんだから逃げずに話をしてみてね。いつでも相談にのるわよ」と声をかけました。
思いがけない妊娠がわかったとき、慌ててしまい、どうすればよいかわからなくなってしまうことは多いでしょう。そのようなときは一人で抱え込まず、まずは適切な窓口に相談することが大切です。大学の健康管理センターの他、お住まいの地域の保健センターなどに相談してもよいでしょう。