2024年7月の健康便り —健康—

正しい避妊方法って?~もう人任せにしない。望まない妊娠を防ぐために~

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 浮かない顔で健康管理センターをのぞいているのは大学4年生の古田航希さんです。「彼女が妊娠したかもって言うから、俺、焦って、別れようって言っちゃったんです。でも友達から無責任だって言われて。俺どうしたらよかったんでしょうか」と、一気にまくし立てる古田さん。「一緒に考えましょうね。避妊はしたのかな」と看護師のモモセさんは優しく声をかけます。「外で出したし、大丈夫だと思っていたのに…」と古田さんはうつむきました。

<大学生に推奨される避妊方法とその特徴>
  • 低用量経口避妊薬・低用量ピル (OC):女性主体で避妊でき、正しく服用することで効果の高い避妊が期待できる。医師による処方と定期的な服用が必要。
  • コンドーム:手軽に入手でき、性感染症の予防もできる。装着ミス、破損などによる避妊の失敗のリスクがある。
 膣外射精が避妊になると考えている人もいるでしょう。でも、膣外射精は失敗が多く正しい避妊方法とは言えません。月経中は妊娠しない、性交後に膣を洗えば妊娠しないという俗説もありますが、これも間違いです。避妊は二人の問題。どちらか一方に任せきりにせず、正しい知識を持ち、どんな避妊方法を選択するか二人で話し合いましょう。OCのように女性が主体的に使える避妊法と、性感染症予防のためにコンドームを使用する二重防御がお勧めです。
 また、性行為の最中でも避妊なしの挿入に同意していない場合、無理強いすることは性暴力といえます。性交は相手の意志を尊重することを忘れないようにしましょう。
<緊急避妊とは>

 「こんなに簡単に妊娠するなんて。俺は大学院もあるし親にも言えない。でも妊娠した彼女はもっと不安だろうな」と彼女の気持ちを思い、別れを後悔する古田さん。モモセさんは「まずは彼女がどうしたいかを聞いてみたら。あなたにも責任があるんだから逃げずに話をしてみてね。いつでも相談にのるわよ」と声をかけました。

 思いがけない妊娠がわかったとき、慌ててしまい、どうすればよいかわからなくなってしまうことは多いでしょう。そのようなときは一人で抱え込まず、まずは適切な窓口に相談することが大切です。大学の健康管理センターの他、お住まいの地域の保健センターなどに相談してもよいでしょう。