2024年9月の健康便り —健康—

若い人にも多い痔~おしりの悩みは、あなただけではありません~

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 健康管理センターの看護師モモセさんが、大学のトイレで手を洗っていると、個室の中から「ヒッ」と短い悲鳴が。驚いたモモセさんが思わず声をかけた先にいたのは、大学2年生の山崎美央さんです。個室から出てきた山崎さんは、「実は、久しぶりのお通じを無理に出そうとしてあまりの痛みに声が出てしまいました。トイレットペーパーに血がつくし、もしかして痔…でしょうか…」と恥ずかしそう。モモセさんは「若い人でも痔になる人ってけっこういるんですよ」と、痔について説明しました。

<痔の種類は大きく三種類>
 切れ痔(裂肛)は、便秘により硬くなった便が肛門近くの皮膚を傷つけて起こります。排便時に強い痛みや出血があります。便秘気味の20~40歳代の女性に多くみられます。
 いぼ痔(痔核)は、肛門内側の血管に血がたまり腫れて起こります。肛門内側には痛みを感じる神経がないため、内痔核はあまり痛みを感じませんが、排便時に出血したり、いぼが飛び出たりします。肛門外側にできる外痔核は大きく腫れて痛む場合があります。
 あな痔(痔ろう)は、直腸と肛門周囲の皮膚をつなぐトンネルができるタイプの痔です。繰り返す下痢で肛門近くの小さな穴から細菌が入り感染し、化膿します。膿の出口として肛門周囲の皮膚まで貫通し、肛門周囲の腫れやズキズキとした痛み、発熱、膿で下着が汚れるなどの症状がみられます。
<治療法は排便・生活改善や薬で>

 「受診って、男の先生にお尻を見せるってことですよね。それは無理です」と言う山崎さんに、モモセさんは「女性の医師がいる医療機関はインターネットで調べられますよ」と伝えました。「女の先生でモモセさんみたいに優しく話を聞いてくれるなら、受診してみようかな…」と山崎さんは勇気をもらったようです。おしりの悩みは一人で抱えずに、まずは健康管理センターや医療機関で相談してみてください。