2024年10月の健康便り —健康—

ダイエットは健康的に~適正体重を知ろう~

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 大学1年生の森大地さんは家族全員が肥満体形。自身も子どもの頃からぽっちゃりしているのが悩みです。「このままじゃかっこ悪いよな…」と思いながら、ダイエットに挑戦できずにいます。というのも、最近、糖質制限ダイエットで急激にやせた妹の様子が変なのです。「お米を一粒ずつ数えて食べるなんておかしいよ」と言っただけで「お兄ちゃんは口を出さないで」と怒り、大声をあげて泣き出すなど、情緒不安定です。そこで、健康管理センターの看護師モモセさんに健康的なダイエット法について聞いてみることにしました。

<適正体重とは>
 食生活や生活習慣の多様化により、過食や運動不足による「肥満」が問題視される一方で、不健康なダイエットなどによる「やせ」も問題になっています。
 肥満は糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病や、様々な病気のもとになるリスクがあります。やせは貧血などの栄養不足や、摂食障害、無月経、低血圧などになるリスクがあります。太りすぎ、やせすぎにならないよう、自分の適正体重を知り、健康的な体重を維持することが大切です。
 肥満度の判定にはBMI=[体重(kg)]÷[身長(m)2]が用いられます。男女とも標準とされるBMIは22と言われており、18.5未満はやせ、25以上は肥満です。BMI計算を自動でできるインターネットサイトもあるので活用してみてください。
<肥満の解消>
 肥満の方は、半年くらいかけて今の体重から3%ほど減らすことを目標に取り組みましょう。減量の基本は、摂取エネルギーを減らし、消費エネルギーを増やすことです。
 摂取エネルギーを減らすには、まず間食や飲み物に注意しましょう。甘い飲料ではなく水やお茶を飲み、夜遅い食事は控えましょう。
消費エネルギーを増やすには、筋肉量を増やして、基礎代謝を上げることをおすすめします。運動を継続することが大切なので、日頃から階段の利用や徒歩での移動を意識しましよう。大学の体育の授業やジムを活用するのもよいですね。
<やせの危険性>
 若い世代のやせは、健康上のさまざまなリスクがあるだけでなく、将来妊娠したときに子どもが低出生体重児になる、高齢になったときの要介護リスクを高めます。
 過度なダイエットがやめられなかったり、ダイエット以外のことを考えられなくなったりするような場合は、お住まいの地域の保健所や精神保健福祉センターへ、大学生であればまずは大学の健康管理センターに相談するとよいでしょう。

 「過剰なダイエットに走り、摂食障害になってしまう場合もあります。妹さんも正しい知識を身につけて、ありのままの自分を受け入れられるといいんだけど…」とモモセさん。「僕が健康的にダイエットする姿を見せることができれば、妹にも伝わるかな。家族みんなで健康に暮らしたいから、両親にも協力してもらいます」と森さんは言いました。