2024年11月の健康便り —健康—

発熱時の対処法 ~急な発熱、もう慌てない~

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 大学4年生の池田恵梨香さんのもとに、よく一緒にお昼ごはんを食べる仲良しの友人から、インフルエンザにかかったと連絡がきました。40℃近い熱で、一人暮らしの家には食べ物も飲み物もないので必要なものを買ってきてほしい、と頼まれました。でも大人になってから風邪をひいて寝込んだことがほとんどない池田さんは、熱が出たときの対処法がわかりません。池田さんは健康管理センターの看護師モモセさんに相談することにしました。

 新型コロナウイルスは2024年の夏にも第11波がきました。これから寒い時期になると、新型コロナウイルスに加えて風邪やインフルエンザなども流行します。今は病院を受診する前にコロナとインフルの同時検査キットで自己検査をしてそのまま自宅療養するという方法もあります。日頃から、体温計や市販薬、経口補水液、レトルトのお粥などを備えておくと安心です。

<熱がある時の対処法>
  • 寒気がある時は体を温め、熱が上がりきって暑い時には、部屋を涼しくし薄着にして熱を逃がす。首や脇、太ももの付け根の太い血管を保冷剤などで冷やす。
  • 食欲がなければ無理に食べず、お粥やゼリーなど、食べやすいものを少しずつ口にする。食事がとれない時は脱水に注意し、経口補水液などで水分と塩分、糖分を補給する。
  • 熱が高いからといって、必ず解熱鎮痛剤を使用しなければならないわけではない。熱がつらくて水分もとれない、眠れないというタイミングで使用する。
  • お風呂はエネルギーを消費するので、熱が下がってから体調のよい時に入る。熱が高い時にはお湯で絞ったタオルで汗を拭く程度にする。
<発熱への備え>

 「病院で処方された薬は飲んだと言っていたから、あとは経口補水液やお粥、ゼリーなどを買っていけばいいのですね。体を冷やすのに、冷却ジェルシートを使うのはどうですか」と池田さん。「冷却ジェルシートは熱が高い時に使うとひんやりとして気持ちがいいけれど、体温を下げる効果はないの。心地よく感じるなら使ってもいいかな」とモモセさんは答えます。
 そして「池田さんも、まずはかかる前の予防が大事。せっけんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒、家や教室の換気を十分にするなど、基本的な対策を心掛けてくださいね」と付け加えました。