2024年12月の健康便り —健康—

大学2年生の橋本湊斗さんは、健康管理センターで実施する「エタノールパッチテスト」を受けに来ました。もうすぐ20歳になるので、自分がお酒を飲める体質なのかどうかを知っておくためです。パッチテストの結果を待つ間に、健康管理センターの看護師モモセさんが、お酒との付き合い方を教えてくれました。
一気飲みをすると、体内のアルコール濃度が急激に高まり、アルコールを分解する機能が追いつきません。その結果、急性アルコール中毒になると呼吸や循環中枢が抑制され、最悪の場合は死に至ります。吐物による窒息や、足元のふらつきによる転倒、けんかなどのトラブルに巻き込まれる危険性もあります。
酔いつぶれた人がいたら決して一人にせず、衣服を緩めて楽にします。嘔吐した場合の窒息を防ぐため横向きにして、体温低下を防ぐために毛布などをかけ温かくして寝かせます。大いびきをかいて寝込み呼びかけに反応しない、体が冷たくなっている、口から泡を吹いている、呼吸がおかしいなどの様子が見られたら、すぐに救急車を呼びましょう。
パッチテストの結果、橋本さんの腕の色は変わりなく、「俺、お酒に強いってことですね。どれだけ飲めるのか、記録に挑戦するぞ!」と意気込みました。モモセさんは「お酒に強いからといっていい気になって飲んでいると、肝臓病やすい臓病、アルコール依存症などの病気になるリスクも。それに、自分が飲めるからといって、飲めない人に無理やり飲ませることはアルコールハラスメントになるから要注意ですよ」と釘を刺しました。
年末は急性アルコール中毒による救急搬送が急増する時期です。自分は大丈夫だと思っていても、疲れがたまっていたり、場に流されて飲みすぎたりして、急性アルコール中毒に陥る場合もあります。おつまみを食べながらゆっくりと飲むなど、気を付けながら友人や家族との語らいを楽しみましょう。