2025年2月の健康便り —健康—

大学3年生の山下蒼さんは、フードデリバリーのアルバイトをしています。バイクでの配達中、つらいのが花粉症です。市販薬を飲むとバイクの運転中に眠気に襲われ、薬を飲まないと鼻詰まりで息苦しくなり、どちらにせよ運転が危険になるのです。困った山下さんは、健康管理センターの看護師モモセさんに相談することにしました。
春一番が吹くこの季節、乾燥した強い風とともに花粉が飛んできます。花粉症の人にはつらい季節ですね。花粉症対策で大切なのは、花粉をできる限り体内に入れない工夫と、症状がひどくなる前の早めの服薬です。本格的に花粉が飛び始める前から花粉症対策を始めるとよいでしょう。
対症療法:
花粉に反応して起こる症状を抑えるための治療。内服薬や点鼻薬、点眼薬などを組み合わせる。本格的に花粉が飛散する前や、症状がごく軽いときから薬の使用を開始すると効果的。一般的な薬物療法では効かないほど重症な場合は、抗体薬を注射する抗IgE抗体療法や手術療法などの治療を行う場合もある。
アレルゲン免疫療法:
スギ花粉の成分が含まれた薬剤を定期的に投与することで、花粉の成分に体が慣れ、スギ花粉が体内に入ってもアレルギー反応が起こりにくくなる。医療機関で注射する皮下免疫療法の他、自宅で治療できる舌下療法もある。花粉の飛んでいない時期に始める必要があり、治療期間は約3~5年かかる。
「花粉症は自然と治ることはないし、集中力の低下から学力の低下につながることもあるの。まずは耳鼻咽喉科で相談してみたら?」とモモセさん。山下さんは「ちょうど花粉の多い時間がバイトの稼ぎ時だなあ。バイト時間は変えられないけど、それ以外のできることから始めてみます。まずは、近くの耳鼻科に…、ウェブ予約完了!行ってきます~」と、たちまち健康管理センターを後にしました。