2025年3月の健康便り —健康—

毎年繰り返す肌荒れ ~優しいスキンケアで乗り越えよう~

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 春らしい暖かな日差しが差し込むキャンパスは、春休みで学生も少なく、静かな時間が流れます。そんな中、健康管理センターの看護師モモセさんの目に留まったのは、ひとり暗い様子でたたずむ大学1年生の中島桃花さんです。心配したモモセさんが声をかけると、花粉症で特に目の周りがかゆくなりこすってしまうのと、たくさん鼻をかむので鼻の下が赤くなるのとで、顔全体の肌荒れに悩んでいるとのことです。「もともとひどいニキビもあるのに…」と目に涙を浮かべる中島さんの肌は、確かに赤く腫れて見えます。落ち込む様子の中島さんに、モモセさんが春の肌荒れケアについて教えてくれました。

<なぜ花粉が飛ぶ時期に肌が荒れるのか>
 毎年決まって花粉の季節に肌の調子が悪い場合、花粉が肌に影響する花粉皮膚炎の可能性があります。花粉が飛ぶ時期は空気が乾燥して皮膚のバリア機能が低下しやすいのです。バリア機能が低下した皮膚に花粉が付くと、免疫システムが働いてアレルギー反応が起こり、皮膚のかゆみや赤み、熱っぽさなどの症状が出るのです。
<乾燥や花粉による肌荒れを防止するには>
 花粉が直接肌に触れるのを防ぐため、メガネやマスク、帽子などを着用します。部屋を加湿し、鼻をかむ時のティッシュは肌に優しいものを選びましょう。かゆいからといってかいてしまうと、余計に肌荒れがひどくなります。保冷剤を柔らかい布で包んだもので冷やすとかゆみがやわらぎます。
<肌荒れのスキンケア方法>
 肌のバリア機能を高めるには、刺激を与えないことと、保湿が大切です。熱めのお湯や洗浄力の強い洗顔料で顔を洗うと皮膚が乾燥します。洗浄力の弱い洗顔料を選び、ぬるま湯で優しく洗い流しましょう。その後、使用感のよい保湿剤を塗ります。スキンケアだけでよくならないときは、早めの皮膚科受診をお勧めします。

 「肌荒れは、ストレスや睡眠不足、不規則な生活や肌に合わないスキンケアなどでも悪化します。紫外線も刺激になるから、日焼け止めを塗るのも忘れずにね」とモモセさん。中島さんは「顔のテカリとニキビが気になって、ゴシゴシとしっかり洗顔していました。乳液もベタベタするので苦手だし…。せっかくのいい天気だから、お肌に優しい洗顔料と保湿剤を買いにショッピングに行こうかな」と日傘を差して歩き出しました。