2025年4月の健康便り —メンタル—

思い描いていた大学生活とのギャップ
~新生活での不安を抱え込まないように~

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 中山佳奈さんは、4月に晴れて大学生になりました。親元を離れ、自分一人での暮らしに希望と不安が入り混じった気持ちで新生活に夢を膨らませていました。しかし、大学が始まってから、思い描いていた生活とは何かが違うと感じるようになりました。友達をうまく作れず、大学でも家でも一人でいることが続きます。その孤独感から、はっきりした気持ちではないものの、死にたいような気分になりました。中山さんは、大学入学時のオリエンテーションで健康管理センターの相談室が紹介されていたことを思い出し、思い切って訪ねてみました。

<思い描いていた大学生活は…>
 中山さんは、相談室のキムラさんに「新しい生活で慣れない部分も多くあったので、4月の初めはとにかく生活することで精一杯でした。けれども、この生活にも少しずつ慣れてきて、余裕が持てるようになったら、最近人とおしゃべりしてないなと思って。大学生活ってもうちょっと楽しいものだと思っていたんですけどね…」と、ため息まじりに話しました。
 キムラさんは「慣れない環境に戸惑い、暗い気分になるのは当然かもしれません。大学生活に少しずつ慣れていっていることは素晴らしいと思います。新たな生活で疲れてしまうこともあったでしょう」と、これまでの頑張りをほめて、ねぎらいました。そのうえで、これからの大学生活を楽しいものにするために今からできることを一緒に考えましょう、と提案しました。
<大学生活は始まったばかり>
 中山さんに、高校時代の友人や家族と連絡を取っているかどうかを確認すると、「最近は忙しくて連絡をしていない」とのこと。「もしかしたら、新生活で忙しくしている中山さんを気づかって、友人や家族も連絡を控えているのかもしれませんね」と伝え、一番話しやすい人に連絡してみることを提案しました。
 さらに多くの新入生は、慣れない環境に少なからず不安を抱えているので、授業やサークル、部活などで、自分から周りの人に少しずつ話しかけてみることを勧めました。中山さんは「なんだか周りの人に余裕があるように感じて、まぶしく見えていたのかもしれません。新生活が始まって大変なのは私だけじゃないですもんね。少し安心しました」と、ホッと肩をなでおろしました。

 大学には健康管理センター以外にも、学生をサポートする窓口が多くあります。いろいろな場所を活用して、より良い大学生活を送ってほしいと思うキムラさんでした。