2025年5月の健康便り —健康—

自転車での事故に注意 ~ルールを守って安全に~

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 しとしとと雨が降る日、大学2年生の小川拓斗さんが足を引きずりながら、やっとの思いで大学の健康管理センターへ入ってきました。看護師のモモセさんは慌てて出血している膝をガーゼで押さえます。小雨の降るなか、自転車に乗りながらスマホを見ていたら濡れたマンホールで滑って転んでしまったとのこと。膝は赤紫色に大きく腫れあがっています。小川さんはすぐに整形外科を受診することになりました。

<自転車はルールを守って正しく乗ろう>
 CO・OP学生総合共済支払い実績の中で、交通事故のうち自転車事故によるケガの入院は、共済金支払い件数のトップです。単身での事故のほか、時には歩行者をひいてしまうなど、加害者になることもあります。そのため、自転車利用中の対人・対物賠償事故に備える自転車損害賠償責任保険等への加入は多くの都道府県で条例により義務化されています。
また、頭部にケガを負うと後遺症が残るなど重症となる恐れもあります。そのため全ての自転車利用者にヘルメット着用が努力義務となりました。自転車に免許は必要ありませんが、車の仲間だという自覚を持ち、ルールを守って安全に注意しましょう。
<自転車安全利用五則(警察庁)>
  • 自転車は車道が原則、左側を通行。歩道は例外、歩行者を優先
  • 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
  • 夜間はライトを点灯
  • 飲酒運転は禁止
  • ヘルメットを着用

 後日、小川さんがモモセさんへ受診結果を報告しに来てくれました。膝の骨折で手術をしたとのこと。幸い経過は順調だそうです。モモセさんは「手術だなんて、大変でしたね。今回は相手がいなくて不幸中の幸いだったけれど、ちょっとくらい大丈夫かなという油断が、大きな事故につながる可能性もあります。2024年11月には、自転車運転中の“ながらスマホ”は罰則強化されたし、イヤホンで音楽を聴いたり、雨の日に傘差しで運転したりするのも禁止です」とちょっと厳しい表情で言いました。
「もしも自分が加害者になっていたらと思うとゾッとします。まだ雨も続くみたいだし、友達にも気を付けるよう言っておきます」と、レインコート姿の小川さんは松葉杖をつきながらトボトボと帰って行きました。