大学1年生の本田英梨さんは、入学時のオリエンテーションで近くの席に座っていた人たちと話をするようになり、気付けば4人グループで行動をするようになっていました。しかし、本田さんはグループの人と趣味が合わず、遊びに行きたいと思うところもずれています。「この3人とは気が合わないな」と感じるようになりました。
本田さん以外の3人は意気投合しているようです。居心地の悪さから、グループを抜けたいと思いますが、一人になりたいわけではありません。迷った本田さんは誰かに相談しようと考え、オリエンテーションで紹介されていた学生相談室のキムラさんのもとを訪れました。
- <居心地のいい場所が見つからない…>
- 相談室を訪れた本田さんは、「実は、今いるグループの居心地が悪くて。みんないい人達だけど、私とは性格が合わないなって思います。私以外の3人は意気投合しているみたいで、なんだか余計に居づらいし。でも、周りもグループで行動しているし、今のグループを抜けたら一人になっちゃうんじゃないかって。別のグループに入るのも勇気がいるし、自分の居場所がない気がします」と目を潤ませました。
キムラさんは「一緒にいる人達と性格が合わないと感じながら過ごしていたなら、色々と気をつかっていたんじゃないでしょうか。環境も変わったなかでのことだし、疲れも溜まっていると思います。よく頑張りましたね」と本田さんを労い、今後について一緒に考えることにしました。
- <1つの場所にこだわらなくてもいい>
- キムラさんが、今のグループの子達と履修はどのくらい一緒なのかたずねると、「教養科目以外は、ほとんど一緒ではないです」とのこと。「大学は選択科目が多いですから、そこでいろんな人に声をかけてみてはどうでしょう。気の合う人が見つかるかもしれませんよ。特定のグループで行動しなくても、友人や知り合いを増やすことはできるのではないでしょうか」と提案しました。
本田さんも「私は西洋史を専攻しているので、同じことに興味がある人のほうが話も合うかもしれません。無理にグループで行動しなくても、次第に仲良くなっていくことはありますよね」と言い、晴れやかな顔でうなずきました。
キムラさんが「また悩んだことがあれば、気軽に話しに来てくださいね」と伝えると、本田さんは安心したようでした。