2025年6月の健康便り —メンタル—

増加傾向の6月病 ~それは遅れてやってきた5月病~

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 大学4年生の赤沢直樹さんは、春期休暇やGWなどの休みも返上で就職活動に明け暮れ、なんとか5月末に内定を獲得することができました。「あとは卒業するだけだ~」と安心していたのですが、最近、就職活動前にはなかった心身の不調を感じるようになりました。このままずっとこんな状態だったら困るなと、思い切って健康管理センターの相談室を訪れ、キムラさんに話を聴いてもらいました。

<あとは卒業論文だけなのに…>
 「大学3年生までに必要な単位はほぼとっていて、あとは卒論だけ。それなのに、内定がきまってからはいつもより眠りが浅かったり、やる気が出なかったりする日が続いていて…。なんだか気分の落ち込みを感じるようになったんです。最近は卒論にも手が付けられなくなっていて。就職してからも同じ症状でうまく働けなかったらどうしようと、悪い方向に考えてしまってすごく不安なんです。どうしたらいいのかな…」と赤沢さんは打ち明けました。
<5月病の先にある6月病の危険性>
 不安にかられている赤沢さんの話を聴いたキムラさんは、5月末まで頑張って就職活動をした反動で、遅れてやってきた5月病のような症状、いわゆる「6月病」が出ているのではないかと伝えました。6月になってから起こるこの症状は、近年、増加傾向にあります。「同じように悩んでいる人も多いんですよ」と聞いた赤沢さんは「自分だけじゃないんですね」とほっとした様子を見せました。
<ストレスとうまく向き合っていこう>
 6月病は、特にまじめに頑張る人に多い傾向があります。6月病を長引かせないために、例えば好きな音楽を聴いたり、身体を動かしたりなど、「気持ちが和らぐちょっとしたこと」を見つけて、自分を労わる方法(ストレスコーピング)を試してみてはどうかとキムラさんは提案しました。
 そして、今はストレスの原因となっている事柄から離れてもいいこと、離れることで心をリフレッシュさせると、症状が改善していく可能性があると知った赤沢さん。「そういえば、しばらく趣味のサイクリングもできていなかったです。ちょっと卒論のことを考えるのを一旦やめてみようかな。ストレスに感じていることから離れてもいいんですよね?」と明るい表情で話し、足取り軽く相談室を後にしました。