2025年8月の健康便り —健康—

月経の悩み ~生理が来ない。その原因は妊娠以外にも~

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 青白い顔で彼氏に連れられて健康管理センターにやってきたのは、大学2年生の長谷川千花さんです。元々生理不順があったものの、今回は3か月間も生理が来ず、不安になって妊娠検査薬で調べてみたら陰性だったとのこと。月経の悩みについて、看護師のモモセさんが優しくアドバイスをします。

<月経周期について>
 月経は周期も出血量も人それぞれですが、25日~38日の周期であれば正常です。周期の異常として、月経周期が24日以内と短い場合を頻発月経、39日以上を稀発月経、月経周期が不規則で次の月経の予測がつかないことを月経不順といいます。妊娠以外で3か月以上月経のない状態は無月経(続発姓無月経)、18歳以上になっても1度も月経が来ない状態を原発性無月経(頻度は0.3~0.4%ほど)といいます。
<無月経の原因や治療>
 無月経の原因はさまざまで、内分泌や脳の病気、生殖器の異常のほか、激しい運動、過度のダイエット、ストレス、抗精神病薬の使用などが影響することもあります。
 続発性無月経の検査では、問診や内診、ホルモンの採血検査、超音波・CT・MRIなどの画像検査、染色体検査など、必要に応じて行います。
 原因となる病気が見つかれば、その治療を行い、月経の再開を目指します。ダイエットやストレスが原因の場合は、ホルモン補充療法やカウンセリングなど心理的サポートも必要になります。すぐに妊娠を望む場合は、排卵誘発剤を使用することもあります。抗精神病薬を使用している場合は、精神科や心療内科での治療を優先しつつ、可能であれば薬剤の変更などを検討します。
<将来のことも考えてまずは専門医へ>
 「実は、少し前からメンタルの調子が悪くて、心療内科で抗精神病薬を処方されて飲み始めたんです。食欲もなくて、やせてしまって。もしかしたら、それが原因かもしれません。受診するなら婦人科でいいんですか?」と、不安そうに長谷川さんがたずねました。
 モモセさんは、やせた長谷川さんの背中を優しくさすりながら、「まずは婦人科を受診して相談してみましょう。今は月経が少なくて楽だと感じるかもしれませんが、将来、妊娠を希望するときに困ることもあります。日頃から基礎体温をつけて、自分のホルモンバランスを意識することも大切ですよ」と伝え、妊娠していない女性も受診しやすいレディースクリニックを案内しました。