大学3年生の藤田誠志朗さんは、新しく発売されたゲーム機を手に入れ、深夜までオンラインゲームに熱中する日々を送っています。授業にはなんとか出席しているものの、日中は強い眠気に襲われ、机に突っ伏して眠ってしまうことも…。そんな藤田さんのことを心配した教員が、健康管理センターへ連れて行きました。看護師のモモセさんは、睡眠不足の悪影響について教えてくれました。
- <健康づくりにおける睡眠の大切さ>
- 心身を休め、健康な生活を送るために欠かせないのが睡眠です。しかし、大学生の生活は自由度が高く、夜更かしや不規則な生活になりがちです。睡眠不足は、日中の眠気や疲労感、頭痛、メンタル不調、判断力や注意力の低下による成績不振など、さまざまな悪影響をもたらします。
- <良い睡眠とは?>
- 良い睡眠とは、長く寝るだけでなく、質の高い眠りであることが重要です。成人の適正な睡眠時間はおおよそ6~8時間とされていますが、実際には約40%の人が6時間未満しか眠れていないという調査結果があります。必要な睡眠時間には個人差があり、6時間で十分な人もいれば、8時間以上必要な人もいます。脳と体がしっかり休まり、翌朝すっきりと目覚められること、そして日中に眠気を感じずに過ごせることが、良い睡眠の目安です。
- <良い睡眠を得るためには>
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- 毎朝同じ時間に起きる:体内時計が整い、夜は自然と眠気が訪れる
- 朝日を浴びる:睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が調整され、夜の眠りが深くなる
- 寝る前のスマホを控える:ブルーライトは脳を刺激し、眠気を妨げるため
- カフェインやアルコールを控える:特に夕方以降避けることで、睡眠の質が向上する
- 寝る前のルーティンを作る:読書やストレッチなど、心を落ち着かせる習慣が眠りを誘う
セルフケアをしても眠れない日が続く場合は、専門家への相談も検討してみましょう。内科や心療内科、精神科、睡眠外来などで相談できます。
「午後から授業の日は昼まで寝ていたのもよくなかったんですね。ゲームするときはスマホでアラームでもかけてみようかな…」と少し前向きになった藤田さん。
モモセさんは「まずは朝早く起きて、日光を浴びることから始めてみましょう。家で軽い筋トレをするのもお勧めです。自然と生活リズムが整っていきますよ。例えば、毎日の生活リズムが1週間後にうまく整っていたら、自分は日中をどんな風に過ごせているか考えてみるのもよいかもしれませんね」と優しく声をかけました。