毎年春が近づくと、多くの人がくしゃみや鼻水、目のかゆみといった不快な症状に悩まされます。日本では国民の約4割が花粉症と言われ、今や季節性アレルギーとしてだけでなく、日常生活の質を大きく左右する健康問題となっています。近年は治療法も多様化し、自分に合った対策を選べる時代になりました。今月は、花粉症と向き合うための治療法などについて紹介します。
- <舌下免疫療法とは>
- 花粉症の治療は症状を抑える薬が中心でしたが、アレルギー体質そのものの改善を目指す舌下免疫療法も保険適用となり、すでに10年が経ちました。舌下免疫療法とは、原因アレルゲンのエキスを毎日少量ずつ体に取り入れ、アレルギー反応を徐々に弱めていく治療法です。開始直後はアレルギー反応が強く出る場合があるため、注意深く観察しながら行います。主な副作用として、口の中の腫れや違和感、唇の腫れ、喉の刺激感、耳のかゆみなどがあり、まれにアナフィラキシーショックといった重い副作用が起こることもあります。
スギ花粉症の人はスギ花粉が飛んでいる時期は、アレルゲンに対する体の反応性が過敏になっているため、新たな治療は開始できません。スギ花粉の飛んでいない時期から始め、毎日服用します。治療は2~3年と長くかかりますが、翌シーズンから治療効果を感じる人も多くいます。継続することでアレルギー症状が改善され、治療終了後の長期的な症状軽減も期待できます。
- <治療の第一歩は花粉を体内に入れないこと>
- 花粉症には、他にもさまざまな治療法があります。症状に合わせて薬を使い、鼻づまりがひどい場合は手術を行うこともあります。どの治療が適しているかは個々の症状や重症度、生活スタイルによって異なるため、医師とよく相談してください。
アレルゲンである花粉をできるだけ体内に入れないことも治療の第一歩です。花粉情報をチェックし、飛散量の多いときは外出を控えめに。外出時はメガネやマスクを着用、髪の毛をまとめ、花粉が付着しにくいツルツルした素材の衣服を選びましょう。帰宅後は玄関前で衣服や髪をよく払ってから室内に入り、洗顔やうがい、シャワーなどで、花粉を落とします。部屋の掃除も念入りに行いましょう。
花粉症の症状は人それぞれですが、自分に合うケアや治療を取り入れることで、不快な症状を軽くすることができます。つらい症状が続くときは、早めに医療機関を受診しましょう。