2018年6月の健康便り —健康—

子宮頸がん検診へ行こう

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 花子さんに子宮頸がん検診の案内が市役所から届きました。実は花子さん、20歳の時にも案内が届いたのに、婦人科に行くのが恥ずかしくて受けませんでした。「就職したら、元気に働き続けたいじゃない」と、検診を受けたことのある友達のハルナさんに言われ、「よしっ!」と花子さんは覚悟を決めました。

 子宮頸がんは、子宮の入り口の頸部とよばれる場所の表面から発生します。その多くはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関連しています。HPVは性交渉で感染しますが、多くの場合症状がないうちにウイルスは自然に排除されます。長い間排除されずに感染が続くと子宮頸がんが発生すると考えられています。
 このHPVの感染を予防するワクチンがありますが、原因となるすべてのHPV感染を予防するものではありません。子宮頸がんは20代から30代の女性のがんのなかで、一番多いがんです。子宮頸がんの初期はほとんど症状がありません。そのため症状が出た時には、がんが進行している場合もあります。症状がなくても、20歳を過ぎたら2年に1回の子宮頸がん検診を受けることが大切です。

 花子さんは市から案内された医療機関の一覧表を見て、自宅から一番近いレディースクリニックに電話しました。「月経中、月経直後を避けて来てください」と言われて、スケジュールを確認して予約。ハルナさんから「服を脱がなくていいようにスカートで行くといいよ」とアドバイスをもらい、長めのスカートで出掛けました。
検診では、まずは最近の体調や病気に関することについて質問用紙に記入します。月経不順や生理痛などを記入する欄もあります。その後、質問用紙に沿って先生から聞き取りがありました。
 カーテンで仕切られた診察室には、大きめの背もたれがついた椅子があります。下着を脱いで椅子に座ると、椅子が動いて診察のポジションになりました。カーテンで仕切られた向こう側にいる女性の先生から「内診しますね。リラックスしてください」と声がかけられます。次に「金属の器具が入ります。子宮入口の細胞をこするときに少し痛みがあるかもしれませんが力抜いてくださいね」と説明がありました。花子さんはとても緊張しましたが、検査はすぐに終わりました。椅子から降りて身支度を整えるときには、看護師さんから「検診後は少し出血することもあるので備え付けのナプキンを使ってくださいね」と案内がありました。
 花子さんが気になっていた生理痛について先生に相談したところ、薬を試してみることになりました。レディースクリニックは妊娠したら行くものと思っていた花子さん。先生のことが頼れるお母さんのように思えて、何かあったらまた相談しようと思いました。