2021年2月の健康便り —健康—

避妊や性感染症について知ろう

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 4年生の君津あきさんは、お付き合いしている同級生の戸田直人さんから「新型コロナが落ち着いたら卒業旅行に行きたいね」と誘われました。ずっとビデオ通話でしか話をしていなかったので、とてもうれしい君津さん。でもお泊りとなると、妊娠のことなど色々と心配が出てきます。君津さんはモモセさんに電話で相談することにしました。「彼を信用しているし、旅行には行きたいんです。でも妊娠や性感染症が怖くて。避妊具を使えば大丈夫なのかな」

 望まない妊娠を防ぐためには正しい避妊の知識が必要です。若い女性は月経周期が定まっていないことも多く、正確な排卵の予測は困難です。しかも月経中でも妊娠の可能性があるので、性行為をしたら常に妊娠する可能性があると考えましょう。若い人向けの避妊法は以下のとおりです。

<低用量ピル>
毎日ピル(経口避妊薬)を飲んで排卵を起こすホルモンの分泌を抑制する。指示通り飲めば妊娠する確率はかなり低い。産婦人科や婦人科での処方が必要。
<コンドーム>
避妊だけでなく性感染症の予防にも有効だが失敗率も高い。正しい使い方の確認が必要。殺精子剤付き製品や薬局で売っている殺精子剤を合わせて使用すると安心。膣の内側に装着する女性用コンドームもある。
<基礎体温法>
毎日同じ時間に婦人体温計で体温を測り、その変化から排卵期を推測して排卵期前後に性行為をしないようにする。体の状態を知るにはよいが、わずかなことで体温は変化するため避妊法としては不確実。コンドームなど、他の避妊法との併用を。

 性行為によって感染する性感染症も忘れてはなりません。性器同士の接触だけでなく、オーラルセックスで咽頭部に感染することもあります。一般的には排尿時痛や陰部のかゆみ、不正出血、おりものの色やにおいの変化、発熱などの症状が出ますが、無症状なことも。人にうつす恐れがあるので、気になるときは早めに検査を受けましょう。男性は泌尿器科、女性は婦人科が専門です。

 「彼に今の気持ちをそのまま話してみたらどうかな。避妊のことを話し合うのは、付き合っていく上でとても重要なことよ」とモモセさん。「そうですね。お互いを知る良い機会だと思います。でも、恥ずかしいな。話して大丈夫かな」君津さんは不安げです。「性の考え方が一緒って大切なことよね。恥ずかしいことではないから、君津さんの体を守るためにも自信をもって話してみてね」とモモセさんが伝えると、やや間があって電話の向こうから「はい、頑張ります」と力強い返事が聞こえてきました。