2022年6月の健康便り —健康—

梅雨時に起こりやすい「気象病」

イメージ

 大学4年生の高橋由衣さんは、就職活動の真っただ中。面接選考が進むにつれ、頭痛や体がだるく感じることが増えました。ふと見たネットニュースで「気象病」の文字が目につき、症状が出るのは決まって雨の日かもしれないと気付いた高橋さん。小雨の降る肌寒い日に大学の健康管理センターに立ち寄ることにしました。

 「気象病」とは病名ではなく、寒暖差で引き起こされる寒暖差疲労や気圧の変化で起こる天気痛などの総称です。梅雨などの季節の変わり目や天候の変化は、体調に影響を及ぼすことがあります。よくある症状は、体のだるさ、肩こり、めまい、頭痛などです。寒暖の差が大きくなると自律神経の働きや、体温、血圧、呼吸などの体内バランスを一定に保とうと、たくさんのエネルギーが消費されることが原因です。また、雨の日は気圧が低下し、その変化を耳の奥にある内耳が感じ取ります。その結果、頭痛が起こったり、自律神経が乱れたりします。

 自律神経の乱れには規則正しい生活と十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動が必要と言われています。日常生活でできる具体的な方法をお伝えします。

 症状によってはなにかしらの病気が隠れていて、治療やカウンセリングが必要な場合もあります。自律神経を整える方法を試してみても症状が改善されない場合は、近くの医療機関を受診しましょう。

 看護師のモモセさんは「就職活動で力を発揮するためにも、自律神経を整える意識を持ちましょうね」と高橋さんの足元にひざ掛けをかけました。顔の血色が良くなった高橋さんは「やっぱり天気によって調子が悪くなることもあるのですね。元気に就職活動を行うために、自分の体を労って過ごしてみます。今日は香りよい入浴剤を買って帰ろうかな」と元気に帰っていきました。